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午前0時。
私はいつものように、そのあったかいベッドの中に潜り込んで、康の寝顔を見つめていた。
なんかまだ信じられないけど、私、今日、康とキスしたんだ。
目隠しされたまましたキスを思い出して、カァッと頬が熱くなっていく。
康は私とのキス、どう思ったんだろう?
優しいから泣いている私をほおっておけなかったんだろうけど。
康は、初めてのキスじゃなかったのかな?
今まで誰かと付き合ってた様子はないし、初めてだったかも。
もしそうなら、
「ごめんね。康……」
今更、罪悪感抱いても遅いよね。
私はいつも寝る前にその唇を奪っているんだから。
いつものように、唇をその唇に近付ける。
でも今日は、唇が震えだした。
無理……かも。
頭を枕の上に落として顔を両手で覆う。
いつもしている軽く、かするだけのキス。
でも今日は、屋上のキスを思い出してしまってできなかった。
ねぇ康、私も、誰かにキスをされるのは初めてだったんだよ。
キスって、あんなに胸が熱くなるものだって初めて知った。
顔が熱いよ……。
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