6人が本棚に入れています
本棚に追加
液晶画面の中では、主人公の『黒羽翔』が、白蛇との半妖である『水在朱斗』と対峙している。
このめは自身の記憶を頼りに、手にした冊子を捲った。
これは、このめがこのDVDを何度も繰り返し再生し、コツコツと作成した手作りの台本だ。
「そういえばこのめ、どうなの? 部活は。順調?」
意地の悪いニヤニヤとした笑みを向けてくる姉は、このめが苦戦しているのをわかっていて訊くのだ。
不満に唇を尖らせると、やはり愉しげにポンポンと肩を叩いてくる。
「がんばってよねー。私、結構楽しみにしてるんだから。白ブレザー高校生達の文化祭を堂々と見に行く、いいチャンスだし!」
「……文化祭は七月だから、その頃には夏服だよ」
「あ、そっか。まーでもあの校舎憧れてたし、男子高校生達がこの舞台を演ったらどんな感じになるのかも興味あるし! 期待してるわよ、『2.5次元舞台愛好部』の部長さん?」
最初のコメントを投稿しよう!