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「もうっ…お願っ…グレイっ…んっっ…」
せがむ唇が塞がれる。
「んっ……んんっ…」
生暖かい感触…
渇いた喉の奥に甘い汁が流れてくる…
グレイは指先で胸の赤い先端を抓み、口にくわえていた葡萄を婦人の口に押し込んでいた。
押し入ってくる葡萄をグレイの舌が潰していく。
たっぷりと流れ込む果汁。
くわえ合う唇と触れ合う熱い舌先。
グレイから与えられる果汁を婦人は貪るように飲みながら互いに口の中で果肉を潰しあう。
「はあっ、グレイっ…貴方最高だわっ…」
「………お気に召して頂けて光栄ですよ…ミス・エルダ…」
グレイはクスリと笑う。
息を切らし、欲に溺れきった瞳はグレイ伯爵の幻影を見つめている。
赤く彩る瞳孔。シャンデリアの射光で浮かび上がる影には大きな翼が映し出され、今にも羽ばたくように大きく扇いでいた。
うっとりとした表情の婦人を見つめ、笑みを浮かべた口端から鋭い牙が剥き出すと、グレイはゆっくりと婦人の首筋に顔を近付け舌を滑らした……
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