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「いらっしゃいませ。」
客を出迎えたのは古びた店の佇まいには似つかわしくないほど、若くて美しい女性だった。
小さな応接セットに案内されると、壁に作り付けの飾り棚に赤いろうそくが置かれているのが目に入る。
真鍮の古風な燭台に乗せられたそれは室内の雰囲気によく似合い、何故かオーラでも放つかのように客の目を惹き付けた。
見入られたのか、視線を外さずにいると、ふくよかなお茶の香りが漂い、ろうそくの呪縛から放たれた。
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