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「ィヤッハッハッハッ!!」
チェーンソーを持ったピエロが哄笑しながら走ってきた。
「い、嫌ッ」
追いつかれたら死ぬ――自分が切り刻まれる姿が脳裏に浮かび、私は走った。全速力で走ろうとするが、ヒールを履いていて上手くスピードが乗らない。
「ィヤッハッハッハッ!!」
けたたましい程高く鋭い笑い声とチェーンソーの刃が回転する轟音が暗闇を切り裂くように鳴り響く。
誰か……!
助けて……!
いくら走っても誰もいない。
笑い声がだんだん近付いてくる。
ピエロがすぐそこまでやってきている。
このまま走れば、真夜中でも車が多く行き来する大通りに出られるけど、そこまで行くまでに追いつかれ――
「キャッ!?」
何かに躓き、ヒールが片方脱げてその場に倒れた。
「ィヤッハッハッハッ!!」
上半身を起こすと、背後に迫るピエロが見えた。
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