case.2 彼氏宅

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 不気味なピエロの笑い声が遠退いていき、真っ暗な画面になって映像は停止した。 「あ~、怖かったァ」 「ハ? どこが? 全然だし」 「え~、嘘でしょ。結構怖くなかった?」  彼氏のコウキは「いや、お前が途中でいきなり大声出した方がビックリしたし」と、あたしを睨んできた。 「ごめん、そんなに大きい声だった?」 「ああ。動画に出てた女より声デカかったし」 「それは言い過ぎでしょ!」 「ンなことねぇって、マジで」 「嘘だァ~」  私はいまコウキの部屋で、彼のスマホを使ってy●ut◆be内にある動画を視聴していた。  そして、急上昇中の人気動画『不気味なピエロが女の人を襲う』を視聴して、後悔しているところだ。 「あ~、もう観るんじゃなかった~」 「どうせドッキリだろ? いつまでもビビってんじゃねェって」
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