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戒斗から背中を押されて乗ったエレベーターは下がるのではなく、さらに上昇した。
「戒斗?」
「せっかくの誕生日だし、たまには贅沢もいい。今日はここに泊まる」
「着替え! 持ってきてないよ」
「どうとでもなる」
言い放った戒斗を引きとめる間もなくエレベーターの扉は開き、叶多には不釣り合いな空間が広がった。
尻込みしたけれど、戒斗は強引に叶多を引き連れて、案内するホテルマンのあとを追った。
通された部屋は北海道のときよりも豪華で、花の香りが漂ってきた。
ベッドルームの一面窓から見える夜景は圧巻だ。
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