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「お届け物がございましたので奥の部屋に通しております。ご確認いただけますか」
ホテルマンが言うと、叶多と戒斗は顔を見合わせた。
戒斗はかすかに肩をすくめ、ホテルマンに続いて奥へ進み、叶多はその後ろから部屋を覗いた。
「……わぁ、きれい」
花の香りの理由はこの部屋にあった。
中央の丸テーブルに所狭しと大ぶりのフラワーバスケットがいくつかあって、色とりどりの花が部屋を華やかにしている。
その横には、大げさすぎるくらいのリボンでラッピングされた箱が三つ添えられている。
近寄ってみると、花にはそれぞれにバースディカードが入っていた。
両親、和久井、瀬尾、拓斗、それにタツオからだ。
「これ、どうするんだ?」
ホテルマンが去ったあと、戒斗は独り言のように唸った。
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