Candied Birthday Full Course

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痙攣しながら絞るような声を出して、叶多はぐったりと戒斗の腕に寄りかかった。 叶多の髪が湯のなかに広がる。 戒斗は叶多を横向きに抱き直し、荒く息を吐くくちびるに軽く口をつけた。 「戒斗……待って!」 くちびるがちょっと離れると、叶多は喘ぎながらも、戒斗がまた動きだすまえにと急いで呼びとめた。 「なんだ?」 「あたし、戒斗、触りたい。戒斗、誕生日、埋め合わせ、してくれるって」 叶多は息が整わないまま、途切れ途切れに訴えた。 「なるほど、その話か。おれはインランになったらって言わなかったか?」 「あたし、何回も、毎日、イ……イってる。普通、そんな、イケないんだって……」 そう言うと、戒斗は叶多の姿勢を変えて正面を向かせた。 「確かに。それで、どこを触るんだ?」 「意地悪……あ……あ、あそこ!」
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