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「まともに見れないくせに触れるのか?」
「きっと、一方的だから……あたしも戒斗、イ、イカせられたら平気になるかも……」
「ふーん」
疑うように相づちを打つと、戒斗は叶多を支えていた手を離し、バスタブの縁に両腕を預けた。
まるで威嚇するような姿勢だ。
「……いい?」
返事はなかったけれど、戒斗は促すように首をかすかに動かした。
叶多は戒斗の腿の上に乗ったまま、まずはその力強い美を宿した顔に手を伸ばした。
両手の指先を重ねながらくちびるに触れた。
戒斗の瞳が射るように叶多を見据えていてどきどきする。
身をのりだしてキスをしてみた。
戒斗がするようにくちびるの間に舌を走らせる。
けれど戒斗はなんの反応も示さない。
くちびるを離すと無表情に見返されて、叶多はちょっと自信をなくした。
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