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もともと、自信なんてあるわけなく、すぐに堕ちてしまう叶多と違って、落ち着いた戒斗を見ていると自分がひどくばかみたいに思える。
でも、自分から言ったんだし、ちゃんとやり遂げないと。
叶多はへんに律義な気持ちを持ち直して、今度は顎から胸にかけて触れてみた。
硬くて、胸に近づくにつれて厚みが増しているのがわかる。
おなかへとおりていく間も硬さは変わらず、手のひらが躰に沿ってわずかに波打った。
このさきは……。
叶多はためらって手を止めた。
思わず下を向いたけれど、そうした自分に気づいてすぐに顔を上げた。
浮いた花びらが邪魔して見えなかったのに、叶多の顔が赤くなる。
戒斗は挑戦するように顎を少し上向けた。
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