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戒斗が笑みを浮かべて言うと、氷が邪魔して答えられずに叶多はうなずく。
氷が融けてしまうまで、戒斗は叶多の濡れた髪をタオルで乾かした。
「戒斗、ひどい。ホントにつらいんだよ」
冷たい氷で頭はちょっとだけすっきりしたけれど、躰の倦怠感までは抜けず、叶多はぐったりとつぶやいた。
戒斗はベッドの端に腰をおろして、後ろめたさも見せずに笑った。
「それをつらい、じゃなくて、もっと、って言えるようになったらインランて認めてやる」
そう言って横向きの叶多を仰向け、戒斗は身をかがめてきた。
叶多の両手が頭の上でまとめて括られる。
目的とする地にさきに到着したのは戒斗の空いた手のひらだ。
ふくらみをつかんで持ちあげ、あとを追ってきた戒斗の口が開いた。
「戒斗、やだ……ぅくっ!」
這いずる舌に叶多は全身をふるわせた。
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