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「こ、声……って……」
「あら、叶多ちゃんがお休みの日にわたしがお邪魔しない理由、全然気づいてないのね。あなたたち、一緒にいると昼夜かまわずやり始めるんだから。お邪魔できないじゃない」
「や、ややや、やるって!」
泣きそうな声は悲鳴じみている。
叶多にとっていまの状況はまさに、穴があったら入りたいというところだ。
入らないまでも卒倒したい。
「真理、もういい」
「戒斗、うまいのね。あそこまで本気で感じられるなんてうらやましいわぁ」
真理奈は戒斗が制しようとかまわず宙を見て何を想像しているのか、顔には羨望を浮かべている。
「ま、真理奈さんっ、頼のまえで――」
「そのくらい想像ついてる。いまさら……」
頼が口を挟むと、叶多は椅子の音を立てながら立ちあがった。
「そ、想像してるの!?」
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