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「……。ったく、具体的なことを想像してるわけじゃねぇよ。普通、わかるだろ」
「わかってるんなら早く出ていってくれ」
動揺を隠せない叶多と違って、まったく平然とした戒斗は顎を動かして玄関を差した。
頼はかまわず、皮肉っぽく戒斗を見やった。
「露骨ですね。文化祭のときはイン・ザ・スクールでお盛んだったそうですが」
頼が冷やかすと、叶多は本当に卒倒しそうになった。
「ど、どど、どこでそれを――!」
「叶多」
「認めたな」
戒斗が制したのに重ねるように頼がとどめを刺した。
重ねて真理奈の奇声じみたため息に、叶多は情けない気持ちで戒斗を見つめた。
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