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「そんな釣れないこと言わないでよ。わたしの大事な、お、も、い、で、なんだから」
真理奈がもったいぶって言うと、戒斗の瞳に警告が宿った。
大げさにため息をつき、真理奈はおちゃらけて首をかしげた。
「もう。わかったわよ。青南の高等部時代、あることで嫌疑をかけられちゃったわけ。わたしにとっては嫌疑じゃなくてそのまんまだったんだけど。退学になりかけて戒斗がかばってくれたの。それからだわ。わたしが本気で戒斗に惚れちゃったのは……」
「真理、そこはいい」
真理奈がうっとりとした表情になると方向修正しようと、戒斗が横やりを入れた。
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