13人が本棚に入れています
本棚に追加
母と杏奈の相性が良くないと判断して
実家に連れて行かなかったのは正解だった
が、悠汰を見れば志津子の不満も少しは
和らぐだろうと考えたのは誤算だった。
洸一の子に亡き父・悠貴の一字を使うのは
志津子の希望だった。それなのに勝手に
命名したとケチをつけ、画数が悪いと一蹴
した。志津子は悠汰に一瞥もくれてない。
実子である洸一でも鼻白む思いなのだ。
塩を撒かれたぐらいで済んだのは幸い
だった。
洸一がドアを開けると杏奈が悠汰を寝かし
つける声が聞こえてきた。玄関に一歩足を
踏み入れるとジャリッと音がした。塩だ。
その音で杏奈は洸一に気がついた。
最初のコメントを投稿しよう!