炎の花

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「紅茶は九十八度です。」 「そんなことはどうでも宜しい!!  日本茶を入れるときはお湯を冷ましなさい。 火傷しますよ、こんな熱いのを飲まされ たら。」 「それじゃ冷やします。」 杏奈は湯飲みの中の緑茶を半分急須に戻し、 湯飲みにペットボトルの水を入れた。 「これで七十度に近くなったはずです。」 「そんなことしたら味が薄まるでしょっ。」 「それは仕方ありませんね。温度は下げて 味はそのまま、は無理です。」 「屁理屈言ってないで淹れ直して頂戴。」
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