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爽やかに「ええ、引き受けさせていただきました」と言えずに、少々強ばった笑顔を返してしまった俺に、琴子さんは何か悟ったらしい。
「兄さん、不憫だねえ。で、吸血鬼の兄さんはどうにか出来なかったのかねえ。」
「果敢に立ち向かった!しかし、正義は常に勝つとは限らん・・・っ!」
果敢に?正義?
たんに、二人にスルーされていただけなんだが。
「こうなったら!仮装なんぞしたイカれたものどもから、泉実を必ず守ってみせる!」
仮装してても、全員客だろうが。
それに、本当にわかっていないんだろうか、自分も同じ運命だってこと。
「ミハイさん、本当にチケット制のパーティーに参加するんでしたら、仮装しないと入店できませんよ?」
何故絶望的な顔をしているんだ。
話、聞いていただろうが。
まさか、自分だけ無傷とか思うなよ?
「もちろん、居酒屋の兄さんも仮装と言われているんだろう?」
その通りです、琴子さん。
料理作って酒も出して場所を提供して、そのうえ仮装しろと言い渡されてます、俺も。
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