居酒屋まるのハロウィンナイト

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洗い物をする前に、ミハイさんの前に新しいワイングラスを出し、まだ開けていなかったワインのコルクを抜く。 「まだこちらが残っておる。」 パーティーの最後で開けたワインは、まだ3分の1ほど残っていた。 「それは、料理に使いますから、いいんです。それより、俺は少し片付けの方をさせてもらいますんで、こちらを飲んでいてください。」 残りのワインでは、すぐに飲み終わってしまうでしょうからと言えば。 「それは・・・もっとここに残っておってもよいということだな?」 まあ、話し相手になってくれるのなら。 妙なところで勘のいいミハイさんに慰められて、気持ちはやや復活したんだが、どうにもまだ一人になって休みたい気分じゃなく。 「では、飲み終わらなかったら、ずっといてよいということだな?」 「・・・すいません、1時間以内に飲みきってお帰りください。」 ワイン1本で居付かれたら困る! 俺の言葉にがっくりしたミハイさんについ苦笑し、また気分が軽くなった。 本日、これにて閉店。 終.
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