7386人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
洗い物をする前に、ミハイさんの前に新しいワイングラスを出し、まだ開けていなかったワインのコルクを抜く。
「まだこちらが残っておる。」
パーティーの最後で開けたワインは、まだ3分の1ほど残っていた。
「それは、料理に使いますから、いいんです。それより、俺は少し片付けの方をさせてもらいますんで、こちらを飲んでいてください。」
残りのワインでは、すぐに飲み終わってしまうでしょうからと言えば。
「それは・・・もっとここに残っておってもよいということだな?」
まあ、話し相手になってくれるのなら。
妙なところで勘のいいミハイさんに慰められて、気持ちはやや復活したんだが、どうにもまだ一人になって休みたい気分じゃなく。
「では、飲み終わらなかったら、ずっといてよいということだな?」
「・・・すいません、1時間以内に飲みきってお帰りください。」
ワイン1本で居付かれたら困る!
俺の言葉にがっくりしたミハイさんについ苦笑し、また気分が軽くなった。
本日、これにて閉店。
終.
最初のコメントを投稿しよう!