現実はそうあまくないもんで

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「僕ね!いつかぜっっっったいに世界一の料理人になるんだ!」 あぁ、あれはいつかの僕の姿だ…お母さんの作る和食が大好きで憧れていたんだっけ…いやぁ、夢見ていた時期もあったんだな。あ、つい最近まで僕ってそんな性格だったんだっけ?必死に叶いもしない夢見て、何もかも犠牲にして勝手に苦しんで… はっ、僕の人生『くっだらねぇ』 僕、新木 慎二の目の前に映るのは5段にも重なった段ボール。その中には、つい最近まで僕が大好きだった調理器具がギリギリにまで詰め込まれていた。 なぜ僕がこんなことになっているかというと… 少年、慎二には幼き頃、母がいた。母は料理が好きで初めて作った料理はいつも一番目に必ず慎二に食べさせていた。慎二はどの料理も美味しくて好きだったが中でも好きだったのは母の作る味噌汁だった。 いつしか、慎二は母のような、いや、母以上の美味しい料理を作りいろんな人を喜ばせたいと志すようになった。
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