消される

9/33
前へ
/58ページ
次へ
私の感覚はいつだって信用ならない。今まで見ていた物、食べてきた物、今触っている物、全ての感覚に違和感がある。いつもと同じ、いままでと同じ、私の感覚の筈なのに、私はこの体を借りてきてしまったようなのだ。だから、巧く使えなくて不安なのだ。歩く事は出来る。見える、聞こえる。けれど、それは私の物ではないのだ。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加