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「ウチに来るか」
「え、
でも」
さらりと言われた誘いに、
いいんですか、
と青羽が怯んだ顔を見せた。
何がと聞き返した多紀に 、
言いにくそうに口を開く。
「だって……俺、
多紀さんに酷い事したのに――家に入れたら、
また同じ事されるかもって…… 思わないの?」
つっかえつっかえの言葉に、
多紀の口元がふっと緩んだ。
「……俺は黒帯だ……本当に嫌だったら、
投げ飛ばしてる」
青羽が視線を上げた。
「ひとつだけ……聞いていいか?」
戸惑う黒い瞳が多紀を見返す。
「あのあと……去り際に君が言った言葉を、
覚えているか」
半ば眠りに引き込まれながら、
それでも確かに聞いたと思う。
何度も繰り返された、
言葉を。
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