吸血保健室

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【 皆森高校の保健室には吸血鬼がいる】 「水無月先生」 「なーに、また先生に会いたくなっちゃった?」 「……っ!そんなわけねーだろ 体育で怪我したから手当しろよ!」 俺がきつくそう言うと、水無月先生はふふっと笑って近づいてきた。 「ふーん、こんなちっちゃいかすり傷だけで保健室に来ちゃうなんて……」 「!?」 「優夜くんは僕にもっと期待してる?」 まだ少し血が滲んでいる傷口にチュッとくちづけた。 「なっ……なにすんだよ」 「あぁ……甘い匂い」 言葉とは裏腹にどんどん頬が上気していくのがわかる。 先生の切れ長な瞳もどんどん熱を持っていく。 そして保健室の立て札を『不在』にひっくり返し、鍵を締めた。 「ここに座って?」 「……」 俺は言われるがままに白いベッドに腰かけた。 「シャツのボタン外して」 「ん……」 「そう、いい子だね」 「あ……でもやっぱダメ」 俺の鎖骨あたりに手を伸ばす先生の手を制止した。 「なんでよ」 「最近……貧血気味だから」 違う、本当は貧血気味なんかじゃない。生理中の女子じゃあるまいし。 ……理由は先生はこういう時になると調子に乗って止まらなくなるからだ。
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