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―クロム・ハーツ城―
アリスは途方に暮れていた…。
『ミイア…私、何も知らない人と結婚させられるなんて…嫌だよ!!』
アリスは、白猫ミイアを抱き締めた。
それに、アリスには想っている人がいる――。
『私はまだ16歳よ。…お母様は何故、こんなに早く私を結婚させようとお考えなのかしら?』
“アリス…。女王は、脅されているニャ”
『…えっ?』
“ミィは部屋に隠れて、話を聞いたのニャ…。ミハエルと言う男は、闇の組織の人間だった。…本来の目的はキミの能力と、この国を乗っ取る事なのニャ”
『何…ですって…!?』
アリスには、動物と会話が出来る不思議な能力があった…召喚士の能力だ。
ミイアはアリスの召喚獣(守護獣)で、幼い頃からアリスの事を守護しているのだ。
マリアから『私と貴女は血が繋がっていない。』と言われている。
マリアの話によると…アリスは、遠い召喚士の村から連れられてきた子供だった。
しかし、アリスにはその記憶が全く無く…周りからは『城で生まれ育った』と伝えられている。
アリスは王女としてマリアや城の皆に育てられたのだが…。
『何で私の能力の事が…?私は…どうすれば良いの?』
“アリス…前夜祭中、席を外して逃げるのニャ”
『で、でも…お母様は!!』
“大丈夫ニャ。マリアには、ハイネが付いてる”
ハイネは、この城の優秀な女性家臣だ。
“…今夜、ミィと一緒に逃げよう?”
『…分かったわ!!』
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