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拭いがたい過去を乗り越えるのは、真実を見抜くことより難しいのかもしれない。
ただ、後悔に濡れる気持ちのどこかで、ふわりと触れるものがある。
それは、祈りにも似た奇跡。
「アキの幸せがわたしの希望だよ。アキ……信じて……」
「うん」
叔父は自らの手で、明をゆっくりと引き離し、涙を拭うことなく、道隆に向かった。
「わたしはアキの……、叔父でいていいでしょうか」
「もちろんです」
道隆の力強い宣言に、叔父はまた頭を下げ、近いうちに荷物を送ること、親戚筋にはきちんと説明すること、養育費としての、明に残された遺産の管理、学校への報告など、公務員らしい几帳面さで説明した後、明の頭をぽん……と、軽く叩き、
「じゃあね…」
と、微笑んで出て行った。
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