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「アキ、今度の日曜なんか予定ある?」
「特にないけど」
「西部体育館で弓道の試合があるんだ。応援に来いよ」
「智にい1年生なのにもう試合に出るの?」
「あたぼーよ。おれは即戦力だぜ?」
「行く行く! 智にいの袴姿大好き!」
「だろ? おれもアキが来てくれたら張り切っちゃうぜ」
明の通う岡中学校には弓道の演武場があり、集中力を養うという理由で3年生になると実習科目に取り入れられていた。すっかり弓道の魅力に取り付かれた智章は、隣町まで習いに行くようになり、高校に入ってからはめきめき腕を上げているようだ。
時々練習に連れて行ってくれる智章の、的を射る真剣な目つきや、凛としたその場の空気、試合の時に着用する濃紺の袴姿に、明は身震いするほど憧れている。
「親善試合だけどな、選抜を睨んでの真剣勝負だ。負けられねぇ。おれの出番は昼前だからその頃に来たらいいよ」
「うん、応援する」
「熱、出すなよ。あ、それと、眼鏡、外して来い」
「眼鏡? どうして?」
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