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「やだ……やめて……。おじさん、そんなの」  叔父の肩を押し上げ、明は首にしがみつきながら、一緒に泣いた。  許されない関係を続ける中で、倒錯した快楽は、お互いを食いつぶすしかなく、未来の見えない恐怖に、いつも二人で震えていた。  そんな叔父の愛は、間違っていたのかもしれない。それでも、6年間の愛情を否定することなどできやしないし、叔父を責める気持ちなどこれっぽちもない。  叔父は優し過ぎた。優しすぎて弱かった。  明の偽りのない気持ちは、確かに叔父を受け入れてきたのだから。 「ぼくは、おじさんがお父さんだったらいいのにって。お父さんって呼びたいなっていつも思ってたよ」 「アキ……。ごめんね。ごめん……」  普通ではない自分の運命を呪い、何も知らなかった頃へ、両親のいたあの頃へ戻りたいと、息苦しいほどに願ったけれど、きっと運命は変えられない。 「おじさん」  回り道をしたその先に、今があるのだから。
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