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「ずっと、ぼくのおじさんでいて」  抱き合ってみっともなく泣いた。道隆はただ黙って二人を泣かせている。  泣き虫なのは病気の所為だと道隆は言うけれど、叔父に似ているからかもしれなくて、叔父と暮らした年月の分だけ、明は叔父が好きだと思った。 「おじさん、これっきりじゃないよね? ぼく達また会えるよね? お別れじゃないよね」  叔父は苦しそうに、それでも精一杯の笑みで、この数日間の苦悩を物語るように静かに明を見つめた。 「佐倉さんは、わたし達が入院している間に引っ越して行ったよ。今度、あの部屋に入るのは新婚さんらしい」 「そ、そうなんだ……」 「だけど、アキはしばらく近づかない方がいいと思う。そしてわたしは」 「やだ、おじさん、ぼくを置いていなくなったりしないでっ!」  何が一番正しいことなのかわからない。  遠慮がちに抱きしめてくれる叔父の手は、いつもと同じに優しくて、その優しさが辛くてたまらないと、明はいつまでも叔父の肩に顔を埋めてしゃくりあげるように泣く。
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