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道隆と暮らす、夢のような未来に気持ちが惹き付けられる一方で、叔父の苦しみを、共に背負ってきた過去を、どこへ納めたらいいのかわからなくて心が騒ぐ。
「アキ……」
何度も呼びかけられた声。
優しくて、穏やかで、いつも哀しかった。
「わたしに時間をくれないか。アキを愛したことを後悔しないように」
「おじさん」
「いつもアキのそばにいるから。いたいから。少し気持ちの整理をさせて欲しい」
「どこへも行かない?」
「ああ、行かない。夏が終わる頃にはきっと……アキに会えるようにする。真っすぐアキと向き合えるように」
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