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叔父にとって、自分はどういう存在なのか明にはわからない。歪んだ情で結びついた身体は、去年の夏から複雑に絡まったまま解く術が見つからない。
愛し合っているのか。支えあっているのか。それとも、互いの醜い欲望のはけ口でしかないのか。
「ああ……、綺麗だな、アキ」
ため息のように呟いて、明の髪に触れていた手が少しずつ意思を持ち始め、頬を伝って唇の形ををそっと辿る。下唇を、右へ、左へ、思わせぶりな細やかな指の動きに気持ちが爛れていくのを、明は耐える。
息苦しさをごまかしながら叔父にもたれかかりベッドへ雪崩れ込むと、古いシングルベッドは悲鳴を上げるように軋んだ。
「おじさん、ベッドが……」
「ん?」
「音が……、ね、おじさん布団でしよう?」
「大丈夫、誰も聞いてやしないよ」
「でも……」
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