夏の陽の詩(なつのひのか)

3/28
前へ
/28ページ
次へ
無理もないか。今日、当直だもんね。 家の静けさと、見慣れたリビングの殺風景さにため息が漏れる。軽く朝食を食べると、音を立てないように気をつけ、さっと家を出た。 携帯で時間を確認すると、まだ七時。学校の門が開く時間には、まだまだ遠い。それ以前に、千帆(ちほ)は学校にいっていないのだけれど。 近所の公園のブランコに座ると、錆びた音を鳴らしながら、ギーコ、ギーコと、理由もなくブランコを揺らす。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加