プロローグ

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プロローグ

「ここは・・・?」 魔王を倒し自分も死んだと思っていたのだが、気が付くと全体が純白で出来ている部屋へと来ていた。 目の前にはただ大きな椅子があり、そこには何者かが座っている。 『ふむ、君が魔王を倒した勇者か。私は天空神アイテール死者の魂を導く役割をしている』 「神、だと」 なるほど何処かへ転移したわけではなく、やはり死んでいたのか。 魔王も死んでいる物言いなので俺は一安心していると、神と名乗る人物は続ける。 『しかし、一人で魔王に勝つとか凄いね。お陰で七英勇の内四席が埋まったよ』 「七英雄?」 『ああ、先代の神は七体の魔王を創ったからね。過去にそれぞれの魔王は、それぞれ三人の勇者が倒していて今回の君が四人目ってこと。 でも快挙だよ?魔王を倒した勇者で異世界人じゃないのは君が初めてだから』 「はあ」 僕は神の言葉を曖昧な返事で返す。 だって正直、過去の事なんてどうでもいい。 それよりも早くやるなら、天国にでも送ってほしいところなのだけど、あ、いや魔王を倒したら願い事を叶えてくれるんだっけ? そんな俺の心中を察したのか、神は手を合わせてパンっと叩く。 『悪い悪い、本題に入るよ』 「あ、はい」 僕の返事を聞くと、神は笑顔で告げる。 『君、今から地獄に落とすから』 「・・・・・はい?」 思考が停止し、思わず聞き返す。  『地獄の賽の川原というところで積み石をして貰います。積み石で塔を作れば解放されるけど、完成する間近に鬼が来てその塔を崩してしまうので頑張ってね』 「いやいやいや、神様さん。俺、自分でいうのは嫌だけど、世界を救った勇者ですし、悪いことする前に師匠に出会ったから基本善行しかしてませんよ!?」 『いや形はどうあれ、自殺は大罪です』 ピシッと神様はその一言で俺の弁解を切り捨てた。
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