1話 臭い世界

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「1つ、これからあなたにはダイスワールドという双六世界で双六をしてもらいます。 1つ、双六のマスに止まるごとに、そのマスのステージでミッションを実行しなければなりません。 1つ、ミッションをクリアすればお金がもらえます。逆にミッションに失敗するとお金が減ります。 1つ、所持金がマイナスになった瞬間ゲームオーバー、地獄に落ちて頂きます。 1つ、もし双六をクリアすれば、あなたの願いをなんでも1つ実現させた状態で、人生をやり直させていただきます」 ジャバラはそれだけ言って、真っ黒な紙を地面に落とした。 地面に落ちたはずのその紙は、いつの間にか消えていた。 「まあ、こんなもんですかね? はい、これあなたが双六で使うサイコロ」 ジャバラはそう言って、私に黒色の2つのサイコロを投げ渡した。 「いろいろと質問もあるかとは思うけど、習うより慣れろ。 いってらっしゃい」 そうジャバラが口にした瞬間、世界が暗転した。 気が付くとジャバラが消えている。 変わりに真っ白だった世界に色ができている。 子供のころ、親友だった希美ちゃんとやったことがある遊び。 双六というその遊びでステージとしていた紙に描かれていた絵とそっくりなものが、地面に描かれている。
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