1話 臭い世界

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地図に描かれてそうな世界大陸の上に、何十もの白円も同時に描かれている。 その数多の白円は、真っ黒な線により結ばれて一筋の道のようになっていた。 双六、まさに双六のようだ。 全ての白円の横には、洋風という言葉がしっくりくる城や塔などの建物を象った像や、ドラゴンやら人魚といった生物を象っていると思われる像が置かれている。 マスの横の像は、ジャバラが口にしていたマスでのミッションというもののヒントでも示しているのかもしれない。 あの女の話した内容、この世界。 すべて理解できない。 しかし、理解しなくとも世界は回り続けるみたいだ。 1番最初のマス。 まだ、私はジャバラにもらったサイコロを振ってすらいない。 しかし、私は最初のマスに止まったとみなされるみたいだ。 1番最初のマス。 私が今いるそのマスの横には、なにやら頭に大きな角を生やしたイノシシを象った像が置いてある。 そのマスにまさに吸い込まれるかのように、私は消えていった。
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