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しかし、私は1ゼンを持っていない。
私は単位ゼンのお金を所有していないのだ。
所持金がマイナスになれば地獄行き。
0から1をひくとマイナス1だ。
クリアすれば5000ゼン獲得、失敗すれば地獄行き。
それこそが、今回のミッションの成功、失敗時の私に対する真の報酬でありペナルティだ。
そのことをふまえて、目の前で歩いている角の生えたイノシシを見る。
おそらくあれが、角イノシシだろう。
そして、すぐに視界を草原にうつす。
草だらけの草原に目を凝らす。
木の棒があるな。
私は思った。
長さ1mほどの木の棒が、私の10mほど前にいる角イノシシの近くに転がっている。
あの棒をとって殴り掛かれば、倒せるかもしれない。
私はその木の棒を取ろうと、一歩だけ足を進めた。
瞬間、角イノシシが私のほうに向いた。
あたりに不穏な空気が流れた。
私は拳を握る。
気が付くと、私はジャバラが渡してきたサイコロを2つ握りしめていた。
しかし、そんなことはどうでもいい。
あのおそらく鋭利な角を持ったイノシシに、サイコロ2つでは太刀打ちできない。
イノシシの近くにある木の棒が必要だ。
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