1話 臭い世界

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しかし、割と問題ない。 私の手から離れたサイコロは、私の近くでコロコロと転がった。 そして、その動きを止めた瞬間私の手に飛んで来て、その姿を真っ黒な銃に変えたのだ。 ハンドガンと呼ばれる小型の鉄砲が、サイコロを落とした、いや、振った瞬間に私の右手に現れたのだ。 私はハンドガンの引き金を引いて、突進中のイノシシを撃った。 撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った撃った。 私は何故か延々と弾を放ち続ける銃の引き金を引き続けた。 目の前では、体中から血を流しているイノシシが横たわっていた。 何故か面白い。 何故かサイコロを振った瞬間に私の手元に現れたハンドガン。 私のガスマスクと少し似合ってるのではなかろうか? そのハンドガンにより、私は目の前のイノシシを殺した。 しかし、罪悪感は無い。 イノシシを殺さなければ、逆に私が殺されていた。 私は自らを守ったのだ。
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