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いつの間にか草原の中心に銀色の扉が現れている。
私はその扉に向かって地面を這うように進んだ。
扉とは本来部屋とともにあるべきだ。
部屋に入るために扉は存在するのだから。
しかし、その扉は草原の中に単体で存在していた。
私はその扉を開けた。
普通に考えると、扉を開けてもその先には草原が広がっているはずだ。
しかし、なぜかその先には、私が先ほどまでいた双六のような世界が広がっていた。
双六マップとでも言うのだろうか。
白円が黒い線で結ばれているその世界に私は進んだ。
双六マップに到着した私の右手から、元々あったはずのハンドガンが消えていた。
その代わり、ハンドガンに姿を変えていたはずのサイコロが2つ握られている。
さらに驚くことに、先ほどイノシシに襲われて負ったはずの傷が完治している。
足の骨折すらも治って、普通に二足で立てている。
私は2つのサイコロを地面に転がしてみた。
そのサイコロはコロコロと転がって、2と3の目を出した。
私のいるマスから、5マス先のマスが光り始めた。
「進もうか」
私は今いるマスから、足を進める。
私は生き返りたいのだろうか?
いつの間にか治っていた足で歩きながら、考えてみた。
どんな願いと共に生き返りたいのだろうか?
分からない。
少しだけいらいらする。
私は進んではいるが、どんな願いを自らが求めているのかわからないのだ。
5マス先に進んだ私は、前回のマスと同様、そのマスの中に消えていった。
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