2話 穏やかそうな村

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村だ。 四方八方を森に囲まれた平地に、レンガ造りの家が20個ほど乱立している。 私は辺りを見渡してみた。 私以外にもたくさんの人間がいる。 そのたくさんの人間は、その服装によりきれいに二分化されているように感じる。 まず、一群目。 こちらの服装グループに、私も含められる。 スーツ、セーラー服、ジャージといった、私が生きてきた日本でも見たことがあるような服装をしている者達が、およそ10名ほどいる。 この服装群の者たちは、煙突のついた洋風の家が乱立するこの村の世界観から、少し浮いているような気がする。 そして、もう1つの服装群の者達。 獣の皮で作られた茶色の服を着ている青年や、ローブをまとった老人。 第二群の者たちは、まるでファンタジーもののゲームに出てくる村人のような格好をしている。 私を含めた現代社会風の服装をしている人間の前に、前のミッションでも現れた透明かつ緑色の紙が現れた。 ミッション名:ヒルラ村で一晩過ごせ ステージ:ヒルラ村 難易度:3 クリア時の報酬:3000ゼン 失敗時の罰金:3000ゼン その紙に書かれていた内容を読み切った私は、周りを見渡した。 ゆったりとした空気が流れるこの村で一晩過ごす。 たいして難しくはなさそうだ。
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