2話 穏やかそうな村

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レンガ造りの家の中に、"宿屋"と書かれた看板がつるされた一層大きな家がある。 あそこで寝て起きれば、このステージのミッションは終了だろう。 現代社会風の服装をした者達は、おそらく私と同じ立場だと推測する。 この10人で今晩、この村で過ごせばよいだけだ。 しかし、私には気がかりもある。 このミッションの難易度は3であると、先ほど見た紙に記されていた。 簡単そうなこのミッションが、最初のイノシシを倒すというミッションよりも難しいのだ。 そこだけが気にかかる。 ジャージをまとったスキンヘッドの男が口を開いた。 「やっと人に会えた。 いきなりこの世界に連れてこられて、わけもわからず進まされたんだ。 なあ、この世界はいったいなんなんだ?」 男はひどく戸惑ったようにそう口にしている。 「みんな状況は同じだと思うよ。 全員1つ2つのミッションをクリアして、スタート時から5マスだけ進んだこのマスにたどり着いただけでしょ? この世界のことなんて分からないよ。 だから、聞くなら私達とは違う立場の者に聞かなきゃ」 私はそう口にして、おそらくこの村の住人である者達を見た。 ジャージのおっさんが私のほうに近づいてきた。 「お前、人と話すときはおかしなマスク取れや」 私は手のひらに握られていたサイコロを2つ、地面に落とした。 そのサイコロはコロコロと転がって、2と6の目を出した。 その瞬間、私の手に銃が現れた。
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