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レンガ造りの家の中に、"宿屋"と書かれた看板がつるされた一層大きな家がある。
あそこで寝て起きれば、このステージのミッションは終了だろう。
現代社会風の服装をした者達は、おそらく私と同じ立場だと推測する。
この10人で今晩、この村で過ごせばよいだけだ。
しかし、私には気がかりもある。
このミッションの難易度は3であると、先ほど見た紙に記されていた。
簡単そうなこのミッションが、最初のイノシシを倒すというミッションよりも難しいのだ。
そこだけが気にかかる。
ジャージをまとったスキンヘッドの男が口を開いた。
「やっと人に会えた。
いきなりこの世界に連れてこられて、わけもわからず進まされたんだ。
なあ、この世界はいったいなんなんだ?」
男はひどく戸惑ったようにそう口にしている。
「みんな状況は同じだと思うよ。
全員1つ2つのミッションをクリアして、スタート時から5マスだけ進んだこのマスにたどり着いただけでしょ?
この世界のことなんて分からないよ。
だから、聞くなら私達とは違う立場の者に聞かなきゃ」
私はそう口にして、おそらくこの村の住人である者達を見た。
ジャージのおっさんが私のほうに近づいてきた。
「お前、人と話すときはおかしなマスク取れや」
私は手のひらに握られていたサイコロを2つ、地面に落とした。
そのサイコロはコロコロと転がって、2と6の目を出した。
その瞬間、私の手に銃が現れた。
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