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私の右手にハンドガンよりもずっと大きく、細長い銃が握られている。
名前こそ分からないが、なんとなく強そうなその銃をおっさんに向ける。
「私のマスクに手をかけたら殺すよ?」
おっさんは後ずさって、手元にあるサイコロを見た。
「やめなよ。
ここで争う必要はないよ」
やけに背が高い、スーツをまとったサラリーマン風の男が口を開いた。
「1番最初のマスで、イノシシを倒すミッションを行ったよね。
あのミッションはきっと、このサイコロの謎に気づけるかどうかを試すためのものだったんだと思う。
このサイコロを振ると、不思議な能力が発動する。
そのことに気付けた者は生き残り、気づけなかった者は地獄落ち。
それがあのミッションの真意だったんだろう。
だが、俺とガスマスクちゃんのサイコロの能力は違った。
ガスマスクちゃんの持つ銃、スナイパーライフルを見る限り、簡単に倒すことはできなさそうだ。
君達もそうだろ?
俺らは敵同士なのか?
それが分からない現状、戦う必要は無いんじゃないか?」
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