2話 穏やかそうな村

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話長いな。 スナイパーライフルと呼ばれた銃の先端を、私は自らの後頭部にコンコンと当てた。 「さて、この村の住人である彼らに話を聞こうか」 サラリーマンが黒色のローブをまとっている老人のほうに向かった。 「なあ、この世界はいったいなんなんだ?」 サラリーマンが尋ねたが、その爺さんは特に何も答えずに、1つの方向を見つめ続けている。 「ねぇ、これじゃない?」 キャバ嬢のように髪を異様なほど盛り上げ、きらびやかなドレスをまとった女性が口を開いた。 キャバ嬢は爺さんの胸元に浮かんでいる1つのプレートを指差している。 その緑色のプレートには白い字で、 "喋りかける" ただそう記されている。 キャバ嬢がそのプレートに人差し指で触れた。 「500ゼンくれるなら、わしが色々な奴らから聞いた話を貴様に教えてやろう」 老人はそう口にし、胸元に現れていたプレートは数を4つに増やしていた。 プレートに書かれている内容にも変化が見える。 老人の前に現れているプレートには、 "盗人の話" "格闘家の話" "ローブをまとった女性の話" "話を聞かない" そう記されていた。 キャバ嬢は"話を聞かない"のプレートにその指で触れた。 「え、聞かないのかよ?」 ネルシャツにリュックというオタクっぽい風貌の男性が、不満そうな声をあげた。 「なら、あんたが500ゼン払えば?」 キャバ嬢が冷たくそう口にした。
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