1話 臭い世界

9/16
前へ
/258ページ
次へ
「生きてる間も地獄みたいなもんだったから。 だから、私は自殺したんだし」 ジャバラが、私の眼前にその顔を突き出した。 「地獄をあんまりなめないほうがいいいよ? くふふふふふふふふふふ。 本当の地獄は君が思ってる万倍は地獄だから」 それから、顔をゆっくりと離していく。 「まあ、いいんだけどね。 私はあなたにダイスワールドに行ってもらえさえすれれば、それで満足」 そのフードからちょっとだけ目が見えた。 口元とは真逆でまったく笑ってなどいない、恐ろしいほど冷酷な目が見えた。 「ダイスワールド?」 「説明する決まりだから説明するよ」 ジャバラは真っ黒な1枚の紙をどこかから取り出して、そこに書かれている内容を棒読みし始めた。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

120人が本棚に入れています
本棚に追加