ドアの向こうは……

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 数日後。  カラン  ドアベルが鳴った。 「いらっしゃいませ」  店員が、笑みを貼り付けた顔で迎える。  入ってきた男は目の下に黒い隈を作っていた。 「ここで悩みを買ってくれるというのは本当かい?」 「はい、どのようなお悩みで?」 「俺の彼女がさ、嫉妬深くってやってられないんだ」 「かしこまりました。それではくわしい話をおうかがいいたします。こちらへどうぞ」  店員は口の端をさらに上げ、壁のそばのテーブルと椅子を差し示した。                    終わり
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