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【死なせたくない】
「俺は死なせたくないんです、浅間さんも、遥も、高岸さんも、ゆかりさんも。あの人たちを巻き込まないためなら俺はなんでもします」
目の前の男の吐露をナイトメアは鼻で笑う。それは明らかに嘲笑で、目の前の人間の悲痛な表情を裏切った。
【なんで君なんかに私が見えるのか知らないけれど、それはできないよ。だって彼らは選ばれたんだから。超能力者として世界を築く礎。この世界を新時代へと導く役割を持った者たち。高岸さんとゆかりさんって人もそのうち死んじゃうかもね。実際今生きていることが奇跡みたいなものだから神にでも感謝しといた方がいいんじゃない?】
彼は一歩足を踏み出しナイトメアと対峙する。その表情は先ほどの悲痛な表情とは違い怒りに満ちている。
「遥がゆかりさんの死を予知し、榊原さんが高岸さんの死を回避しなければ二人は死んでいた。二人の死を回避したのは神のおかげなんかじゃない。もし二人の死が神により作り出された物だとしたら、俺は神を許さない」
彼の声色はもし、と言いながらそれを確信しているかのようで、私は静かにその腕を掴む。
「落ち着いてください、今ナイトメアを壊したらこの世界まで終わってしまうんです」
「……」
【そうだよ、君たちは決して私に手を出すことはできない。私を壊せば世界は終わってしまうんだからね。馬鹿なことはやめてモノクロームでも倒してきたら?】
その声色に若干の苛立ちを感じながら「まだ、英晴くんがいる」と口を開く。彼の期待を私も裏切るように声を発する。
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秋山と早坂で裏山イベント。秋山はハッピーエンド編じゃないと仲間にならない。
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