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「貴明君、彼は?」
「店長、彼を働かせてやってください」
貴明は女性店長に頭をさげた。
「彼、イケメンだからいいわよ」
女性店長が許可をすると貴明は顔をあげ喜んだ。
「ありがとうございます」
「私は昼休みをとるから後、お願いね」
女性店長は花屋を出ていった。
客が来ない間、貴明はのえに接客の仕方や花の名前を教えた。
それから暫くして花屋に周平が現れた。
「すみません」
「いらっしゃいませ…」
奥から出てきた貴明は周平の姿に驚いた。
「周平…」
「話があるんだけど」
「今、仕事中だから帰ってくれないか」
「……」
奥からのえが出てくると周平は驚いた。
「何でお前がここにいるんだ」
「のえさんは今日からここで働くことになったんだ」
「貴明、話が あるんだ」
周平は貴明の手を掴み連れ出そうとした。
「仕事中だって言ってるだろ」
「すぐ終わるから」
嫌がる貴明をむりやり連れ出そうとする周平をのえは離れさせた。
「嫌がってるだろ」
「お前には関係ないだろ」
「関係あるさ…俺は…貴明さんが好きなんだ」
のえの告白に貴明と周平は驚いた。
そこへ女性店長が戻ってきた。
「いらっしゃいませ」
「……」
女性店長に声をかけられ周平は花屋を出ていった。
「貴明君、どうしたの?」
女性店長が呆然としている貴明に話しかけると貴明は何でもありませんと言って奥に行きトイレの中に入っていった。
「……」
のえは奥を見つめ女性店長は店に現れた客の接客を始めた。
「すみません」
「いらっしゃいませ」
のえも店に現れた客の接客を始めた。
ートイレー
洗面台の前で貴明は顔を濡らし鏡を見つめた。
「のえさんが俺を好きだなんて…」
「貴明さん」
「……」
トイレに現れたのえを貴明は鏡越しで見つめ振り返った。
「どうしたんだ」
「さっき言ったこと俺の本当の気持ちですから…それと店長が呼んでましたよ」
「……」
貴明はトイレから出ていき女性店長に近づいた。
「何ですか?」
「のえ君と一緒に総合病院にラベンダーを持っていってほしいんだけど」
「わかりました」
貴明とのえは20本のラベンダーを持って店を出ると総合病院に向かった。
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