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「才能じゃありませんよ。これこそが私の生きている意味です」
駒を片付けながら私の口から出てきた言葉にお爺さんは固まる。
そして、笑顔を引っ込めて尋ねてくる。
「生きている……意味?それはどう言う意味だい?」
周囲のご老人たちも同時に頷く。
「若者にありがちな、自分が生きている意味はなんだろう?という妄想です。思春期にそういう思いを起こし、自分に勝手に枷をかける。私の場合、“地を進み、自らの世界を広げる”……そういう枷を作りました」
「地を進み?世界を広げ……一体何を言っているのか」
お爺さんは困惑した表情で首を傾げている。
私はその表情にフフッと笑みを浮かべ
「今流行りの“厨二病”という奴の一環ですよ」
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