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「今日は楽しかったです。また、機会がありましたら対局していただけますか?」
私の晴れ晴れとした表情を見て、お爺さんはとても辛そうな表情を浮かべた後、精一杯の笑顔を浮かべてこう答える。
「ああ、いつでも待っているよ」
「ありがとうございます」
私は軽く会釈してその場を立ち去ろうとする。
すると、お爺さんがガタっと立ち上がり
「“お嬢ちゃん”!」
「……はい?」
「お嬢ちゃんの……お名前は?」
その言葉に私は目を丸くする。
「あれ?名乗ってませんでしたっけ?」
「あ、あぁ……。そうだ!私は葛城 騎士(かつらぎ ないと)。これでもプロ棋士だった男だ」
「ナイト……プフッ」
その名前に少し笑みをこぼす。
お爺さんは恥ずかしそうに左手で顔を覆い。
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