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そんな中を小学生の私が歩き、キョロキョロと辺りを見渡しながら本日の本を探す。
そして、一つの本のタイトルが目に入ったのでそれを取ろうとする。
「んッ……!」
しかし、手が届かない。
せっかく手をうんと伸ばし、足元に小さな脚立を置いているというのに届かない場所にある本。
それを一生懸命になって手に取ろうとする私。
正直、ムキになっている面もあった。
それでも手を伸ばし続けた。
“ソレ”が必要なんだと言わんばかりに……。
「ほれ、これが取りたかったのかい?」
「え?」
後ろから伸びてきたしわしわの手。
その手が私の目的としていた本をヒョイっと軽く掴んで、私の目の前に差し出してきた。
130cmに届いていない私からすると相当な長身の初老男性。
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