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好々爺に見えるその笑顔に私は思わず
「ありがとうございます」
と、笑顔を浮かべてから頭を下げる。
「おやおや、元気のいい子だね」
そう言ってお爺さんは私の頭をクシャクシャと撫でる。
そして、私の目の前に再び一冊の本を差し出す。
「本当にこれで良かったのかい?」
「はい!思ったよりも高い場所に置かれていて手が届かなかったので……取って頂き、ありがとうございます」
本を受け取りながらもう一度、頭を下げる。
その姿にお爺さんは目を丸くして
「今時珍しい礼儀正しい子だね」
「そうですか?クラスじゃ浮きまくりのハブられまくりなのですが」
「そうなのかい?そうは見えないけどね」
柔らかく言うその言葉はどこか安心するような響きがした。
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