地を進み、世界を広げる若者

本編

「いや、大人の方が多いかもしれんな」
「つまり私は大人になってもクラスで浮いた存在になるということですか……」

真剣な表情で言う私にお爺さんはプッと吹き出して

「大人になったら“クラス”なんてものはなくなってしまうよ。代わりに別の区分けがたくさん出来てしまうけどね」
「なるほど。それはそれで面倒臭そうですね」
「子供の口からそう言う言葉を聞きたくはないなぁ」

お爺さんは苦笑いを浮かべている。
そして、私の目を見ながら

「そういえば、お嬢ちゃんは学校行かなくていいのかい？平日のこんな時間なら学校あるんだろ？」
「あはははは……。まぁ、先程の理由で登校を拒否しておりまして」

バツの悪そうに頬を掻きながら視線をそらす私にお爺さんはにこやかに笑う。